顧客が複数の製品を同時に比較することが当たり前となった現代では、企業は顧客視点での販売計画を立てることが重要です。
顧客管理システムは、顧客の興味や行動履歴といった情報をシステム上で効率的に共有・管理し、企業の顧客中心の営業活動を可能にするシステムです。
一方で、顧客管理システム(CRM)で成果を出すには、自社に必要な機能を把握し、社員が使いこなすことができるようになるかを見極めたうえで、予算に合ったものを選ぶ必要があります。
この記事では、顧客管理システム(CRM)11選を①グローバルでシェアの高いツール②使いやすさや定着率に強みのある国産ツール③多機能な海外製のツールの3タイプに分類し比較紹介します。
「yaritori」は、顧客対応から顧客管理までを効率化できるサービスです。営業やカスタマーサポートなどお客様とのコミュニケーションが業務の中心で、顧客管理にも課題がある方にオススメです。
サービス概要・導入事例などがわかる資料をお送りしますので、お気軽に資料請求をしてください。
顧客管理システム(CRM)とは
顧客管理システム(CRM:Customer Relationship Management)は、顧客と長期的に良い関係を築くことで、利益の最大化を目指す「顧客関係管理」を行うためのシステムです。
顧客管理システムでは、担当者氏名やWeb訪問履歴などの「顧客情報」・商談フェーズやノウハウなどの「商談情報」・訪問履歴や架電状況などの「活動情報」の3つを紐付け、一元管理することができます。これにより、「今優先的にアプローチするべき顧客は誰か」「商談の停滞が多いのは、どんな顧客・どの担当者の案件か」などが簡単にわかるため、企業は効果的に業務改善を進めることができます。
基本機能の他に、自動メルマガ配信機能や、FAQ作成機能など、マーケティングやカスタマーサポートを支援する機能を備えているサービスも多くあります。
顧客管理システムについて詳しく知りたい方は「顧客管理システム(CRM)とは?必要性・基本機能・メリットなどを解説」もご確認ください。
顧客管理システム(CRM)の必要性
お客さまが複数製品を同時比較することが当たり前となった昨今では、「どのような人が製品を買ったのか」「なぜこの人は製品を買ったのか」を分析し、顧客中心の販売計画を立てることが必要不可欠となっています。
そのためには、顧客ごとの興味や課題感、行動履歴、購入後のフォロー状況といった情報を管理・共有する必要があります。CRMを使わずにこれらの情報をExcelやスプレッドシートで管理しようとすると、データの更新漏れが起きたり、レポートやグラフの作成に時間がかかるなどの問題が発生してしまいます。
そこで、細かな顧客情報を一元的に管理でき、かつ顧客との関係を長期的に築くための機能が備わっているCRMが、利益を出すために多くの企業に必要となるのです。
顧客管理システム(CRM)を導入するメリット
効率的かつ生産的な顧客管理が可能
スプレッドシートやエクセルでも、顧客情報や商談情報、活動情報をリスト化することは可能ですが、膨大になりがちな顧客数への対応や、「商談が受注された際の、他の顧客データの変動」のような分析を行うことは難しいです。
これに対し、顧客管理システムでは大量の顧客データをさまざまな切り口で分析し、ダッシュボードで簡単に可視化することができます。また、AIを活用した売上予測なども可能であり、効率的かつ生産的な顧客管理を行うことができます。
顧客に関する情報共有が簡単になる
担当者名や企業概要などの顧客情報は、もし営業担当者が個別に管理していると、顧客対応が属人化し、「案件の進捗が担当者しかわからない」といった状況が生まれてしまいます。
そこで、顧客管理システムを使うことで、それまでバラバラに管理されていた顧客情報が集約され、情報を部内・社内でスムーズに共有することができます。
さらには、顧客情報以外にも、商談のノウハウなどの情報も簡単に共有できるため、チーム全体の成約率向上も期待できます。
顧客満足度がアップする
顧客管理システムでは顧客情報を一元管理するため、素早い顧客対応を実現できます。また、過去の対応履歴やニーズの傾向分析などを参照できるため、顧客に対しパーソナライズされた適切な内容の提案をすることができます。
このように高スピード・高クオリティな顧客対応が可能になるので、顧客満足度を向上させ、さらには売上の向上に繋げることができるでしょう。
顧客管理システム(CRM)のタイプ
顧客管理システム(CRM)は、Salesforce・Hubspotを始めとする①日本を含むグローバルでシェアの高いツール、GENIEEなどeセールスマネージェーなど ②使いやすさや定着率に強みのある国産CRMツール、Zoho CRMなど③多機能な海外製ツールに分かれます。
CRMのタイプ①|日本を含むグローバルでシェアの高いCRMツール
CRMタイプの1つ目は、「Salesforce」や「Hubspot」が代表的な、日本を含むグローバルでシェアの高いタイプです。
営業以外にマーケティングやカスタマーサポートでも活躍できるほど機能が豊富であり、またユーザーの役割や業務フローに合わせて操作しやすいよう画面を柔軟にカスタマイズできるなどカスタマイズ性にも優れています。他MA・CRMとのデータ同期や、AWS・SlackといったビジネスツールとのAPI連携など、連携できる外部システムも豊富です。
確固たる実績と安心できるブランド力に加え、さまざまな規模・業種のビジネスノウハウを頻繁に取り込み機能としてアップデートしているため、常に洗練された最新の情報や知識を利用することができます。
CRMのタイプ②|使いやすさや定着率に強みのある国産CRMツール
CRMタイプの2つ目は、機能がシンプルで使いやすく、導入時のサポートも手厚いといった特徴がある国産のCRMツールタイプです。
CRMツールは、顧客情報や営業の進捗情報を担当者全員がもれなく入力し、そのデータをマーケティング施策の改善や営業プロセスの効率化に活用してこそ効果のあるものです。そのため、CRMツールの早期定着を重視する場合や、煩雑な細かい操作なしにハイペースでどんどん分析を行いたい場合にはおすすめです。
CRMのタイプ③|多機能な海外製CRMツール
CRMタイプの3つ目は、多機能で拡張性の高い海外製のCRMツールタイプです。
顧客管理の他にマーケティングオートメーション機能を備えていたり、優れたAIの搭載やモバイル対応、機能拡張による電話連携など、広い業務範囲をカバー可能な多機能なさが特徴です。
多機能ゆえに企業のさまざまな規模・シチュエーション・ニーズに対応できるため、具体的に求める機能が細かいレベルで定まっていたり、企業成長に合わせて柔軟に拡張していきたい場合などにはおすすめです。
顧客”対応”を同時に効率化するCRMなら「yaritori」
yaritori (ヤリトリ) |Onebox株式会社
「yaritori」は、顧客対応の効率化から顧客管理までをかんたんに実現できるサービスです。
顧客対応の効率化として「複数メールの対応状況をチームで一元管理」「Slack・Chatwork連携」などがあります。顧客対応をするさいには、過去だれがどのような対応をしたかなど顧客ごとの対応履歴を把握することが重要ですが、yaritoriでは対応した顧客情報が自動で蓄積していくのが特徴です。
また、Salesforceをはじめとする既存CRMとのシームレスな連携も実現しており、メール画面から顧客情報を参照したり、修正することができます。
「yaritori」は、営業やカスタマーサポートなどお客様とのコミュニケーションが業務の中心で、顧客管理に課題がある方にオススメです。初期費用・最低契約期間もなく、1ユーザーあたり月額1,980円(税抜き)〜で利用いただけます。14日間の無料トライアルができるのでぜひお気軽にお申し込みください。
機能
- 指定した期間のメール送信数をメンバー・チームごとに集計
- 担当者の自動設定、自動返信、最新AI「GPT-4」を活用したメールの自動生成機能
- SlackやChatworkとのビジネスチャット連携、Salesforce連携
価格
月額ユーザー課金で1,980円〜9,980円まで4つのプランを用意しています。管理するアドレス・ユーザー数でプランが分かれており、上位プランでは連携機能・自動化機能などが使用できます。初期費用・最低契約期間はありません。
使いやすさ
画面デザイン・操作性・導入のしやすさでユーザーに高く評価されています。パッとみたときに何をすべきかわかり、画面がサクサク切り替わるのでストレスのない体験が実現できます。
Gmail/Outlookをお使いの方なら、メールの送受信をワンクリックで同期することができるので、サービスの導入もスムーズです。14日間の無料トライアルができるのでお気軽にお試しください。
グローバルでシェアの高いCRMツール2選
Salesforce Sales Cloud|国内外でトップシェアを誇るNo.1 CRM/SFA
Salesforce Sales Cloudは、アメリカに本社を置くSalesforce社が提供する、顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)ツールです。セブン-イレブンやビズリーチなどの大手企業から中小企業まで約15万社と国内外でトップの導入実績を誇り、さまざまな業種、業態で、会社規模に合わせて利用可能です。
営業業務の効率化や、営業担当者の正しい意思決定が可能になるようデザインされています。例えば、ドラッグ&ドロップ操作で簡単かつ速やかに案件の値引きに関する承認などを行える「ワークフロー」機能から、リアルタイムな売上予測を可視化する機能まで、非常に幅広い機能が備わっています。カスタマイズ性も高く、規模やニーズに合わせた柔軟な使い方をすることが可能です。
レポートやダッシュボードは直感的な操作で簡単に表示させることができ、テンプレもあるためすぐに使い始めることができます。UIも自社に合わせた細かいカスタマイズが可能です。
4つのプラン展開があり、1ユーザーあたり月額3,000円〜利用できます。
30日間の無料トライアルが可能です。
Hubspot|ビジネスのあらゆる範囲をカバー
Hubspotは、アメリカに本社を構えるHubspot社が提供する、インバウンドマーケティングを主軸にしたCRMプラットフォームです。世界120か国以上で16万7,000社以上の導入実績があり、日本でもNTTデータグループやエーザイ株式会社などに導入されています。豊富な機能を簡単な操作で利用可能で、会社の成長に合わせて拡張できることが特徴です。
カバーする業務範囲は幅広く、マーケティングオートメーションや営業に使える機能に加え、リードの目を惹く魅力的なコンテンツ作成や、チャットボット・ナレッジベースなどのカスタマーサポート用の機能なども全て備えています。
Hubspotには複数の製品があり、無料で利用可能なHubSpot CRMや、月額54,000円〜の
Sales Hubなどを自由に組み合わせることができます。
初期費用は不要で、全てのプランに対して、14~30日間の無料トライアルが用意されています。
使いやすさや定着率に強みのある国産CRMツール6選
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)|定着率99%の親しみやすさ
GENIEE SFA/CRMは、2010年設立の株式会社ジーニーが提供する国産の営業管理ツールです。日清製粉グループや住友不動産などで利用されており、導入社数は 5,300社を超えています。
月額29,800円〜から利用することができ、定着率99%の親しみやすいシンプルな画面、短期間(平均1ヶ月)で運用を開始できるのが特徴です。
eセールスマネージャー|万全のフォロー体制で導入から運用を徹底サポート
eセールスマネージャーは、1992年設立のソフトブレーングループが開発した、業種や企業規模問わず5,500社を超える導入実績をほこる純国産のCRM/SFAツールです。
使いやすさに定評があるほか、「サポートデスク」「集合型研修」「顧客アドバイザー」「活用支援サイト」の4つの体制による運用サポートという万全のフォロー体制があるため、安心して導入から運用までを行うことができます。
1ユーザーあたり月額1,000円〜利用することができます。顧客管理や営業管理などCRM/SFAに必須の機能に加え、スケジュールやToDo管理などの機能もあるため、グループウェアとしても利用できるのが特徴です。
kintone(キントーン)|快適で柔軟な顧客管理を実現
kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウドサービスです。累計20,000社以上の導入実績を誇ります。
kintoneは、日々の業務課題を解決しつつ、快適なコミュニケーションを実現する、チームの仕事が集まる「場」の提供をモットーとしているシステムです。そのため、顧客案件管理をはじめ、交通費申請や日報、プロジェクト管理など、あらゆる用途で使うことができます。
また、複数人でメールを共有・一元管理できるサイボウズのメールシステム「メールワイズ」と連携させることで、顧客管理画面からシームレスにメールの作成・送信を行えたり、メール履歴を顧客データと紐付けて表示することが可能です。
「ライトコース」というプランでは1ユーザーあたり月額780円で利用できるなど、低価格から始められる点も魅力です。
30日間の無料トライアルがあります。
Sansan|名刺を起点とした顧客管理を提供
Sansanは「顧客管理システム(CRM)」とは名乗っていませんが、名刺管理市場シェア82%を誇る名刺管理サービスで、あらゆる顧客情報の営業活用を実現できます。大手金融機関や官公庁をはじめ8,000社での利用実績があります。
名刺以外にも、メールの署名・商談のメモなどの顧客との接点情報や、拠点情報・リスク情報などの企業情報を一元管理し、全社で共有できます。特に名刺をスキャンするだけで顧客情報を自動でデータベースに登録できるなど、顧客情報の入力が非常に簡単であることが特徴の1つです。
外部のSFAやCRM・MAとも連携・統合できるため、部門ごとに保有していた顧客情報を全社で活用できるようになり、顧客に合わせた高度な営業戦略の立案や実行が可能になります。
価格は要お問い合わせとなっております。
Senses(センシーズ)|営業成果向上を直接的に支援
Senses(センシーズ)は、株式会社マツリカが提供する営業支援ツールです。SoftbankやANAなどの大企業からスタートアップまで多業種1,000社以上の利用実績があり、利用継続率98%という評価を受けています。
Sensesは、顧客管理や営業管理だけではなく営業プロセスを直接的に支援する、ユーザーファーストのセールス・マーケティングプラットフォームです。AIの力と入力自動化で営業成果を支援する仕組みを構築しており、蓄積されたデータをもとに、AIが案件のリスク分析や類似案件を直接アドバイスしてくれます。
また名刺や議事録のスキャン、自動文字起こしが可能であり、モバイルアプリからワンクリックでデータを入力できるため、現場の負荷が削減されます。
月額27,5000円から利用可能(5ユーザーまで)で、全3段階の料金プラン体系となっています。
Synergy!|無駄のない使いやすさと堅牢なセキュリティ
Synergy!はシナジーマーケティング株式会社が提供する、BtoC企業向けの国産クラウドCRMシステムです。集客、顧客情報の統合・一元化、クロスチャネル・メッセージング、分析まで、CRMのあらゆる活動を支えます。
使いやすさと堅牢なセキュリティが特徴で、定期的にユーザーテストが行われているため無駄な機能のないシンプルな操作性が実現されています。セキュリティに関しても、プライバシーマーク・ISMSの国際規格「ISO/IEC27001」の認定を取得しています。
月額15,000円〜でCRM機能を利用可能な他、メール配信やアンケート、LINE配信などのオプションも提供されています。
多機能な海外製CRMツール2選
Zoho CRM|低価格なのに高機能
Zoho CRMは、南インドに本社を持つZoho Corporationが提供するクラウド型のCRMです。星野リゾートを始め、世界で25万社以上に導入されています。
大手CRM / SFAと同等の機能を持ちながら安価で利用できるのが特徴です。初期費用・追加料金もなく、1ユーザー1,680円〜利用することができます。導入・定着支援や24時間対応可能なサポート窓口も設けられているため始めやすく、長く使い続けることができます。
また、Zohoは、問い合わせ管理で使える「Zoho Desk」やマーケティングで使える「Zoho Campains」など50以上の業務アプリケーションを提供しています。すべてのアプリケーションが相互に連携するよう構築されているので、組織のあらゆる部門を包括したプラットフォームを簡単に構築していけるようになることも魅力です。
Freshsales|スマートな営業と素早い取引を実現
Freshsalesは、2010年にインドのチェンナイで設立されたFreshworksが提供する顧客管理システムです。dysonやSCSKなどで利用されております。
完全無料のフリープランの他、自動化機能やAIによるスコアリング機能等は1ユーザーあたり月額15ドル〜から利用することができます。
企業の収益を上げるためのさまざまな機能が搭載されており、AIを使用したチャットボットやWebトラッキングによりWebサイトから新規リードを探したり、顧客ステージのスコアリングにより効率よく優先度の高い顧客にフォーカスできます。
また、Freshworksは、問い合わせ管理で使える「Freshdesk」やマーケティングで使える「Freshmarketer」などの業務アプリケーションを提供しており、営業チームがマーケティングチームやカスタマーサポートチームと相互に同期して作業することができます。
まとめ|自社に合ったCRMツールで、顧客中心の販売体制を整えよう
いかがでしたでしょうか。CRMツールは、多機能やカスタマイズ性を求めるなら海外製、使いやすさやサポートの手厚さを求めるなら国内製のものから中心に選ぶと良いでしょう。
また、候補を絞る過程で、圧倒的シェアを誇るSalesforceと比較しながら選んでいくと、自社に合ったCRMツールが見つかるかもしれません。Salesforceは機能・カスタマイズ性が圧倒的でありながら、使いこなすためには時間と手間がかかります。
ツールを比較していく過程で、自社が本当に解決したい課題は何か、早期定着が図れそうか、コストパフォーマンスは見合っているか等を総合的に判断しながら見ていくと、これからの顧客中心の販売体制が求められる時代と自社の双方に合ったCRMツールが見つかるはずです。