ダイナースクラブのカードは使えない?決済できない場合の対処方法を解説

ダイナースクラブのカードは、世界で初めて誕生したクレジットカードブランドであり、富裕層を中心に高いステータス性を誇ります。現在は、個人用・ビジネス用の両カードが提供されており、それぞれに上質なサービスと特典が付帯しています。
ダイナースクラブのカードはステータス性や手厚い付帯サービスが魅力ですが、「使えない」「決済エラーが出た」という声も少なくありません。
国内外でスムーズに支払うためには、なぜ決済できない場面が起こるのかを理解し、事前に対策を講じることが重要です。
本記事では決済が失敗する主な原因と具体的な解決策を解説し、併用に適したMastercard・VISAカードも紹介します。
ダイナースクラブのカードとは

1950年に米国で誕生したダイナースクラブのカードは、富裕層向けダイニングサービスを起源とするハイステータスカードです。個人用・ビジネス用の両カードがあり、国内では三井住友トラストクラブが発行しています。
24時間コンシェルジュや充実した旅行保険、空港ラウンジ優待などプレミアム特典を提供している点が特徴です。
特に、高級レストランでの1名分無料サービス「エグゼクティブ ダイニング」や、世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが利用できる「プライオリティパス」が付帯している点も魅力となっています。
また、利用限度額に一律の上限が設定されていないため、高額決済に強みを発揮する点がメリットです。
ダイナースクラブビジネスカードの基本情報(年会費・還元率など)は以下の通りです。
年会費 | 27,500円(税込) |
国際ブランド | ダイナースクラブ |
追加カード | 2枚まで無料で発行可能(最大4枚まで) ※3,4枚目は、1枚あたり年間5,500円の維持手数料あり。 |
ETCカード | 無料(5枚まで発行が可能) |
ポイント還元率 | 1.0% |
申し込み条件 | 基本会員:年齢27歳以上で法人、団体等の代表者・役員・個人事業主 追加会員:基本会員が代表者・役員を務める法人等または個人事業の役職員あるいは従業員で18歳以上の方 |
ダイナースクラブビジネスカードについて詳しく知りたい方は以下をご参考下さい。
ダイナースクラブビジネスカードとは?特徴やメリット、注意点を徹底解説
ダイナースクラブのカードが国内で使えない?考えられる原因は?
国内加盟店でダイナースが決済できない原因は、JCBなど他ブランドのシステムとの互換性や店舗側端末の設定にあることが多いです。原因ごとに対処法を押さえておけば、会計時のトラブルを最小限に抑えられます。
まずは以下の4つのチェックポイントを確認しましょう。
JCB加盟店でない
ダイナースは日本国内でJCBと業務提携しており、原則としてJCB加盟店であれば利用できます。ただし、個人経営の飲食店や小規模ECサイトの中には、JCBに未加盟だったりJCB決済プランにダイナースを含めていなかったりする店舗があります。
また、店頭端末の場合は、JCBブランドロゴが掲示されていても、設定変更が済んでいなければエラーになる場合があります。事前にJCBとダイナースの利用可否を確認するか、タッチ決済に対応している最新端末かどうかをチェックしておくと安心です。
端末が対応していない
磁気ストライプ専用や旧型IC対応端末では、ダイナースのICチップやNFC方式を正しく読み取れない場合があります。特に地方のガソリンスタンドや宿泊施設では、最新の端末に更新されていないためにタッチ決済に失敗してしまう事例が見受けられます。
暗証番号入力後に「認証不可」「対応していないカードです」と表示された場合は、サイン決済への切替えで通ることが多いので試してみましょう。
限度額を超えてしまっている
ダイナースには公式の利用枠は設定されていませんが、カード会社は会員ごとに与信枠を保有しています。短期間の間に高額利用が集中すると、システムが不正を検知して、決済を一時的に保留する場合があります。
出張や大口決済の予定がある場合は、事前にトラストクラブへ連絡し見込み利用額を伝えることでスムーズに承認されます。
カードの停止・解約や有効期限が過ぎている
年会費の未払いや不正利用検知でカードが停止されていると、決済は通りません。他にも、カードの再発行手続き中に古いカードを使用しているケースや、磁気不良・ICチップの損傷などでカードの機能が物理的に失われていて、読み取りができないケースもあります。
停止・解約状態にある場合や、カード自体の不具合で決済エラーが起こっていると推測される場合は、カード裏面記載のサポートへ連絡し、現在のステータスを確認しましょう。
ダイナースクラブのカードは海外で使えない?考えられる原因は?
ダイナースクラブのカードは海外決済にも対応していますが、場合によっては使えないケースもあります。海外でダイナースクラブのカードが使えない原因には、主に次の3つが考えられます。
ダイナースは国際ブランドのシェア率が比較的低い
ダイナースは国際ブランドとしてのシェア率が低く、世界シェアはVISAが約50%、Mastercardが約30%、American Expressが約7%に対し、ダイナースは数%程度にとどまります。
高ステータスカードであることも起因していますが、ダイナースカード自体のシェア自体はVISAなどと比較すると割合は低くなります。
現在ではコンビニやファストフード店でも利用できるケースが増えていますが、一部の端末では対応しておらず、「カード読取不可」と表示されることもあります。
特に国内外の高級レストランや五つ星ホテルといった富裕層向けの加盟店では強みを発揮するものの、日常的な利用においては利用できないことが稀に生じることもあるでしょう。
決済に対応できない国や地域がある
発展途上国や一部の欧州小国ではダイナースのアクワイアラ(加盟店契約会社)が存在しないため、物理的に取扱い不可となっています。
また、アクワイアラが存在する地域であっても、中国本土はUnionPay優勢、インドやブラジルはMastercard、VISAのシェアが高いなど、ダイナース端末を導入する小売店が希少な国もあります。
現地ATMでのキャッシングも制限されるため、渡航先のブランド対応状況を外務省や旅行会社の情報であらかじめ確認しておきましょう。
ダイナースクラブのカードが使えない時の対処法は?
決済トラブルは旅行やビジネスシーンの大敵です。下記の対処法を押さえておくことで、会計時のストレスを大幅に減らせます。
コンパニオンカードを利用する
「ダイナースクラブ コンパニオンカード」は、トラストクラブが無料で発行しているMastercardブランドの追加カードです。ダイナースクラブのカード保有者であれば、追加申し込みにより取得でき、カード番号は本体カードとは別番号で発行されます。
ダイナースクラブ コンパニオンカードを利用することで、Mastercard加盟店での決済が可能になります。ダイナース単体では使えなかった店舗でも、コンパニオンカードを使えば対応できるため、実質的に利用可能な店舗数が飛躍的に広がります。
さらに、引き落とし口座やポイントプログラムはダイナースと共通のため、支出の管理やポイントの貯まり方も一元化され、わかりやすくなっています。海外旅行保険や空港ラウンジなど、ダイナースの特典もそのまま享受できるのも大きな魅力です。
コンパニオンカードを活用することで、1枚分の年会費で2つの国際ブランドを同時に保有・運用できる、非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢になります。
他の国際ブランドのカードと2枚持ちする
既存のダイナースクラブのカードに加えて、VISAまたはMastercardブランドの法人カードを併用することで、ほぼ100%に近い加盟店網をカバーできるようになります。
特に経費決済を法人カードに集約したい中小企業オーナーにとっては、会計ソフトとの自動連携や、高還元率のポイント制度を意識して選ぶことで、キャッシュフロー改善や業務効率化を促進できます。
さらに、2枚持ちならではの戦略的なカード選びをすれば、単なる決済補完にとどまらず、特典や利便性を大きく広げることが可能です。
次項では、ダイナースクラブのカードと併用するのに最適なMastercard・VISA対応カード4選をご紹介します。
ダイナースと2枚持ちがおすすめのMastercard・VISAカード4選
追加カードは決済網を補完するだけでなく、会員特典や管理機能も吟味して選ぶと使い勝手がさらによくなります。
ここでは、ダイナースクラブのカードと2枚持ちする場合におすすめの4枚を厳選しました。
UPSIDER(アップサイダー)|審査最短10分のスピード感が魅力!

年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa |
追加カード | 無料・無制限 |
ETCカード | 作成不可 |
ポイント還元率 | 1.0~1.5% |
申し込み条件 | 法人のみ(個人事業主は不可) |
「UPSIDER(アップサイダー)」は、急成長スタートアップや中小企業に特化した法人カードです。
AIを活用した独自スコアリングにより、最短10分で審査が完了し、限度額は最大10億円(通常でも1億円以上)と、資金力の必要な発注にも対応可能。設立間もない企業や与信枠の拡大が課題の企業にとって、非常に心強いカードです。
UPSIDERは、高額なオンライン広告費やSaaSなどのツールの決済に適しており、ダイナースでは対応が難しい領域をしっかりカバーできます。VISAブランドなので、加盟店の網羅性も高く、日常の少額決済から大口発注まで幅広く活用可能です。
2枚目に持つことで、決済用途に応じた使い分けが可能になり、資金管理の柔軟性が格段に向上します。
UPSIDERカードについては以下をご参考下さい。
UPSIDER(アップサイダー)法人カードとは?ポイント還元率や評判などの特徴を解説
バクラク ビジネスカード|ポイント還元率最大1.5%と高還元

年会費 | 無料 ※一部機能は有料 |
国際ブランド | Visa |
追加カード | リアルカード:1,540円(税込) / 枚 |
ETCカード | – |
ポイント還元率 | 1.0%~1.5% |
申し込み条件 | 法人のみ(個人事業主は不可) |
「バクラク ビジネスカード」は、請求書処理SaaS『バクラク』と連携できる法人カードです。
VISAタッチ決済対応により、国内外の多数の加盟店で利用できます。リアルタイムで利用状況を可視化でき、経費処理やガバナンス管理にも優れた機能を備えています。
ダイナースクラブのカードと2枚持ちする場合、バクラク ビジネスカードは高還元率と柔軟な管理機能が魅力です。ダイナースが対応していない店舗でも、VISAブランドを通じて広くカバーでき、1円単位で利用制限が設定可能なため、従業員のガバナンス強化にも活躍します。
加えて、クラウド経費管理ツールとの連携がスムーズで、申請・承認・仕訳・記帳まで一元化できる点も大きな強みです。デジタル経費管理に力を入れたい企業にぴったりの一枚です。
バクラクビジネスカードについては以下をご参考下さい。
バクラクビジネスカードを徹底解説|カードの特徴や評判・審査基準は?
ラグジュアリーカード チタン|2枚目もハイステータスカードにするなら

年会費 | 55,000円(税込) |
国際ブランド | Mastercard |
追加カード | 16,500円(税込) ※4枚まで |
ETCカード | 年会費無料(発行手数料なし) |
ポイント還元率 | 1.0% |
申し込み条件 | 20歳以上(学生不可) |
「ラグジュアリーカード チタン」は、年会費55,000円(税込)の金属製カードで、Mastercard最上位グレード「ワールドエリート」に属するプレミアムな法人向けクレジットカードです。
圧倒的なブランド力と、高級志向の優待特典が魅力で、ビジネスシーンからプライベートまで幅広く対応します。
「ラグジュアリーカード チタン」は、ステータス性を重視する経営者や役員層に特におすすめです。ダイナースクラブのカードと併用すれば、VIP向けの優待やラウンジ特典を二重に活用でき、接待や出張、旅行時のサービスレベルを一段と引き上げられます。
Mastercardのワールドワイドな加盟店網で決済の幅を補いつつ、ブランドイメージや顧客対応においても強い印象を与えたい方には理想的な2枚目の選択肢といえるでしょう。
ラグジュアリーカードチタンについては以下をご参考下さい。
ラグジュアリーカードチタンとは?特徴やメリット・デメリットなどを徹底解説
三井住友カード ビジネスオーナーズ|年会費無料で導入しやすい法人カード

年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa・Mastercard |
追加カード | 18枚まで発行可能(永年無料) |
ETCカード | 初年度無料550円(税込) /年 前年度に利用があれば年会費無料 |
ポイント還元率 | 0.5% 最大1.5%還元 ※ |
申し込み条件 | 満18歳以上の法人代表者、個人事業主の方※高校生は除く |
・利用枠:~500万円 ※所定の審査がございます。
※対象の個人カードとの2枚持ちが条件です。
「三井住友カード ビジネスオーナーズ 一般」は、法人代表者・個人事業主向けの年会費無料の法人カードです。
VISAまたはMastercardブランドから選択可能で、追加カード(従業員用)も無料で発行できるため、法人設立直後の導入にも最適です。
オンラインから最短5分で申込み完了とスピーディなのも特徴です。
特にVisaブランドを選べば、ダイナースでは利用できない店舗でもカバー率が向上し、海外出張や出先での決済でも安心。加えて、自動仕訳連携や明細管理機能が充実しているため、経費処理の効率化にも貢献します。
初期コストを抑えつつ、ダイナースとの使い分けで実用性を最大化したい方に最適な一枚です。
三井住友カード ビジネスオーナーズについては以下をご参考下さい。
三井住友カードビジネスオーナーズを徹底解説!限度額・審査・特徴を紹介
まとめ|ダイナースクラブのカードのメリットを活かしつつ他の国際ブランドも併用がおすすめ
ダイナースクラブのカードは付帯サービスや高額決済で高い価値を得られますが、国内外の加盟店網はVISA・Mastercardよりも狭い傾向にあります。
メインカードとして使用する場合は、JCB提携範囲や端末対応状況を把握し、コンパニオンカードや追加ブランドカードで網羅率を補完すると良いでしょう。
ダイナースクラブの各種カードのメリットをうまく活用しながら、ステータスを維持しつつ決済トラブルを回避し、ビジネスとプライベート双方のキャッシュレス体験を最大化しましょう。