JCB法人カードの審査基準とは?審査期間・審査落ちの理由や対策を紹介

JCB法人カードは、日本初の国際カードブランド「JCB」から発行されている中小企業向けの法人・ビジネスカードです。
JCB法人カードは、「一般」「ゴールド」「プラチナ」の3ランクが展開されており、JCBブランドの使いやすさはもちろん、ポイント還元率の高さやビジネスに役立つ付帯サービスで人気のカードです。
しかし、JCB法人カードを申し込むにあたって、「審査に通るか不安」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?法人・ビジネスカードの審査基準や通過率が気になる方も多いはずです。
そこで、この記事では、JCB法人カードの審査基準について解説します。審査期間や審査に落ちやすいケースとその対策まで解説するので、カードの申し込みでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
JCB法人カードとは|「JCB」が発行する中小企業向け法人カード
JCB法人カードは、日本初の国際カードブランド「JCB」から発行されている中小企業向けの法人・ビジネスカードです。
JCB法人カードは、「一般」「ゴールド」「プラチナ」の3ランクが展開されています。ランクに応じて、年会費や特典が変わり、ゴールドでは空港ラウンジの無料サービスが使え、プラチナではプライオリティ・パスやコンシェルジュサービスなどが付帯します。
JCB法人カードを経費の支払いや出張費、物品購入などで使用することで、振込手続きの手間や現金管理の負担を軽減できます。年会費が比較的安く、ビジネス利用に必要な基本機能を備えているのが特徴です。
利用明細を自動で会計ソフトに取り込める機能や、従業員用の追加カード・ETCカードを何枚でも発行可能といった拡張性も魅力です。また、各種優待サービスや保険も付帯しています。
JCB法人カードの基本情報は以下の通りです。
一般法人カード | ゴールド法人カード | プラチナ法人カード | |
年会費 | 1,375円(初年度無料) | 11,000円(初年度無料) | 33,000円 |
申込対象 | 法人または個人事業主 | ||
利用枠 | 10〜500万円 | 50〜500万円 | 150万円~ |
ポイント還元 | 0.5%~10% | ||
決済口座 | 法人:法人口座個人事業主:屋号付き口座や代表者個人名義口座 |
JCB法人カードの基本情報や種類については「JCB法人カードの種類やメリットを徹底解説!審査基準や申し込み方法も紹介」もご参考ください。
JCB法人カードの審査期間はどれくらい?
JCB法人カードの審査には、おおむね1〜2週間ほどかかるとされています。
申し込み完了後、まずは登録したメールアドレスに合否の通知が届きます。その後、必要書類のやりとりや契約手続きを経てカードが発行されるため、混雑状況によっては手元に届くまで3週間程度見ておくと安心です。
なお審査には、法人の場合であれば代表者の本人確認書類に加え「現在事項全部証明書」が必要です。個人事業主の場合は、本人確認書のみで申し込めます。
JCB法人カードの審査基準は?
JCB法人カードの審査では、主に以下3つの観点がチェックされます。
・ 経営実績
・ 財務状況
・ 申込者の信用情報
経営実績
まず、設立からの年数や営業活動の実績といった経営履歴が評価対象です。たとえば、安定した売上が継続している企業や、長年の事業継続実績を持つ企業は、運営体制がしっかりしていると判断されやすいでしょう。
加えて、直近の業績や取引先の信用力なども総合的に見られる傾向があり、黒字決算が続いていることも好印象につながります。
財務状況
次に、利益の安定性や借入額など、決算書などから読み取れる財務状況も見られます。審査では、利益水準や資産負債のバランス、借入金の状況などが総合的にチェックされます。
赤字の有無だけでなく、資金繰りに無理がないか、返済能力を裏付けるキャッシュフローが維持されているかなども審査の対象です。
申込者の信用情報
そして、代表者個人の信用情報も審査対象になります。過去のクレジットカード利用歴やローンの返済状況などが、影響を及ぼす可能性もあります。
特に開業間もない法人では、経営者の信用が重要視される傾向にあることを覚えておきましょう。
JCB法人カードの審査落ち原因
JCB法人カードの審査に落ちてしまう背景には、いくつかの典型的なパターンがあります。申し込み前に、以下のような要素に該当していないか確認しておきましょう。
申込条件を満たしていない
申込時点でJCBが定める基本条件に合致していないと、そもそも審査に通過することは困難です。JCB法人カードの申込条件は、以下のとおりです。
・ 申込者が法人代表者または個人事業主であること
・ 実在する事業として活動実態があること(設立登記済・営業実態あり)
・ 本人確認書類の提出が可能であること
・ 申込書記載住所と本人確認書類の住所が一致していること(異なる場合は補足書類が必要)
・ 複数のカード申込履歴や過去の金融事故がないこと(信用情報が良好であること)
たとえば、法人としての活動実態が不明瞭であったり、事業開始からの期間が極端に短かったりするとカード会社側が慎重な判断を下す傾向にあります。
また、連絡先が携帯電話のみで、固定オフィスを構えていない場合も信頼性が低いと見なされやすいでしょう。申込書類の不備や情報の記載漏れがあるとそもそも審査が進まないケースもあるため、提出前の確認は必須といえます。
経営・財務状況に課題がある
継続的な赤字や資金繰りの悪化など、財務の健全性に疑問が残る場合には、JCB法人カードの審査で不利になるおそれがあります。たとえば、債務超過や自己資本の不足が明らかになると、返済能力に不安を感じさせやすくなります。売上や利益の数値に加え、将来的な収益計画が不足しているケースも否決の要因です。
審査前には決算書の内容や資金計画を見直し、安定性を示せる材料を整えておきましょう。可能であれば、黒字転換に向けた施策や改善見込みを申込書や補足資料でアピールすることも、プラス評価につながります。
代表者の信用状態に問題ある
法人カードであっても、申込者である代表者個人の信用情報は審査に大きく影響します。過去に延滞や債務整理を行っていると金融機関側はリスクを懸念するため、否決される可能性が高まるでしょう。
また、短期間に複数のクレジットカードを申し込んでいる、現在保有しているカードが多数ある場合には「申し込みブラック」として認識される場合もあります。
代表者個人の信用履歴が良好であることは法人の信頼度を高める要素として見なされるため、あらかじめ状態を確認しておくと安心です。
JCB法人カードの審査落ち対策
JCB法人カードの審査に通過するためには、申し込み前に複数の視点から準備を進めることが重要です。以下の3つの対策を講じることで、審査の通過率を高められるでしょう。
条件を満たしたカードに申し込む
JCB法人カードには一般カードからゴールド、プラチナまで複数の種類があり、それぞれに求められる条件が異なります。
たとえば、開業間もない企業や収益が安定していない個人事業主の場合、初年度の年会費が無料な「一般法人カード」がおすすめです。2年目以降の年会費も1,375円と安めなので、申し込みだけでなく所持のハードルも低めになるでしょう。
一方で、ステータス性や利用限度額を重視するなら、ある程度の事業実績が必要なグレードの高いカードを検討しましょう。申込先の選定を間違えると、条件を満たしていないだけで審査に落ちる可能性があるので、まずは自社の状況に合うカードを選ぶことが肝心です。
経営基盤の改善
カード会社は、審査の際に法人の経営体力や資金繰りの健全性を重視します。以下について、決算書や財務データを通じて判断されます。
・ 継続的に黒字を確保できているか
・ 債務過多になっていないか
・ 売上に対して支出が適切か
特に赤字が続いている状態では返済能力に疑問を持たれやすくなるため、資金計画の見直しやコスト削減に取り組む姿勢が求められます。
また、必要に応じて外部の専門家の助言を受け、改善に向けた取り組みを事業計画として明文化しておくと審査担当者にポジティブな印象を与えやすくなるでしょう。
事前に数字を整理し、説得力のある材料を揃えておくことが大切です。
個人の信用力の改善
JCB法人カードの審査では法人の実績だけでなく、申込者本人の信用情報も重要視されます。過去に支払い遅延や強制解約、自己破産などの履歴があると個人の返済能力に疑義が生じ、カード会社の評価が下がってしまいます。
そのため、日頃からクレジットカードやローンの支払いを期限通りに行い、安定した信用履歴を築くことが大切です。また、多重申込を避けるためにも、審査落ち直後の再申請は控え、半年程度の期間を空けるようにしましょう。
信用力を回復するには時間がかかりますが、日常の支払い管理を徹底することが審査通過につながります。
JCB法人カードの申し込みまでの流れ
JCB法人カードの申請手順は、以下のとおりです。
- JCBの公式サイトからオンライン申込フォームにアクセスする
- 必要事項を入力し、申込内容を送信する
- 登録メールアドレスに受付完了通知が届く
- JCBから申込書と返信用封筒が郵送される
- 署名・捺印した申込書と本人確認書類を返送する
- 内容確認後、契約書類が送付される
- 契約書類の受領確認後にカードが発行・郵送される
JCB法人カードは、Webサイトから申し込むのが基本です。必要事項を入力すると受付完了の通知が届き、所定の申込書と返信用封筒が送られてきます。
その後、署名・捺印済みの申込書と確認書類を返送し、内容確認後に契約書類が発送されます。書類の受け取りが確認され次第、カードが発行される流れです。
JCB法人カードの選び方|オススメのカードランクは?
JCB法人カードは、目的に応じてさまざまな選び方が可能です。ここでは3つの視点から、オススメのJCB法人カードを紹介します。
年会費を安く抑えて法人カードを試すなら「JCB一般法人カード」

年会費 | 1,375円(初年度無料) |
国際ブランド | JCB |
追加カード | 1,375円 (1枚目のカードの年会費が無料の場合は追加カードも無料) |
ETCカード | 複数枚(年会費無料) |
ポイント還元率 | 0.5% |
申し込み条件 | 法人または個人事業主 |
コストをできるだけ抑えて法人カードを導入したい場合には、「JCB一般法人カード」が適しています。初年度年会費は無料で、2年目以降も1,375円と手頃な価格で運用できる点が魅力です。
ETCカードや追加カードの発行にも対応しており、従業員用としての活用もスムーズです。利用可能枠は最大500万円まで設定可能なため、中小規模の経費管理には十分な機能を備えています。支払い方法は1回払い・2回払いが選べ、経費の把握やキャッシュフローの調整にも柔軟に対応できます。
最小限のコストで法人カードの機能を確保したい方におすすめです。
JCB一般法人カードについて詳しく知りたい方は「JCB一般法人カードとは?特徴や発行するメリット、審査基準を詳しく解説!」をご覧ください。
空港ラウンジなど出張で使える特典なら「JCBゴールド法人カード」

年会費 | 11,000円(初年度無料) |
国際ブランド | JCB |
追加カード | 3,300円 (1枚目のカードの年会費が無料の場合は追加カードも無料) |
ETCカード | 複数枚(年会費無料) |
ポイント還元率 | 0.5% |
申し込み条件 | 法人または個人事業主 |
出張や移動が多いビジネスを展開している場合には、「JCBゴールド法人カード」が頼れる選択肢になります。国内の主要空港ラウンジやホノルル国際空港内ラウンジの無料利用といった、ゴールド会員ならではのトラベル特典が用意されています。
年会費は11,000円ながら、初年度は無料で利用を開始できる点もポイントです。保険面でも手厚く、海外・国内問わず最高1億円まで補償される旅行傷害保険が付帯されているため、万一のトラブルにも備えられます。
ある程度の経費を想定している中小企業で、移動を伴うビジネスの多い方にぴったりのカードです。
JCBゴールド法人カードについて詳しく知りたい方は「JCBゴールド法人カードを徹底解説|年会費やポイント還元など」をご覧ください。
プライオリティ・パスなどワンランク上の特典なら「JCBプラチナ法人カード」

年会費 | 33,000円 |
国際ブランド | JCB |
追加カード | – |
ETCカード | 複数枚(年会費無料) |
ポイント還元率 | 0.5% |
申し込み条件 | 法人または個人事業主 |
接待や海外出張が多く、サービス品質を重視したい場合には「JCBプラチナ法人カード」が最適です。
世界中の空港ラウンジが使える「プライオリティ・パス」や、予約・手配を24時間体制でサポートする「プラチナ・コンシェルジュデスク」が付帯されており、法人代表者の移動や商談をより快適にサポートしてくれます。
年会費は33,000円と高額ではあるものの、各種補償や付帯サービスを活用することで、コスト以上の付加価値が得られます。ハイクラスなサービスを求める経営層や、高頻度での海外活動がある企業におすすめの一枚です。
JCBプラチナ法人カードについて詳しく知りたい方は「JCBプラチナ法人カードのメリット・デメリットを徹底解説|特典やメリットを徹底解説」をご覧ください。
JCB法人カード以外でおすすめの法人・ビジネスカードは?
JCB法人カード以外にも、経営スタイルや規模に応じた選択肢は多く存在します。以下では、限度額や年会費などの観点から注目されている2枚のカードを紹介します。
限度額最大10億円の法人カードUPSIDER(アップサイダー)

年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa |
追加カード | 無料・無制限 |
ETCカード | 作成不可 |
ポイント還元率 | 1.0〜1.5% |
申し込み条件 | 法人のみ(個人事業主は不可) |
急成長中の企業や資金繰りに余裕を持たせたい法人には「UPSIDER」がオススメです。最大で10億円という圧倒的な利用枠が設定可能で、大規模な広告出稿や仕入れにも対応できます。
通常のクレジットカードとは異なり、代表者の個人信用情報よりも法人としての売上規模や成長性を重視する独自審査を採用している点も特徴です。また、無料で利用可能なクラウド型経費管理ツールや明細連携など、バックオフィス業務の効率化を支援する機能も豊富に揃っています。
コストを抑えつつ高機能な法人カードを探している方には理想的な選択肢です。
詳細はUPSIDER(アップサイダー)法人カードとは?|特徴や人気の理由を徹底解説をご覧ください。
個人事業主・フリーランスの方には永年無料のJCB Biz ONE

年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | JCB |
追加カード | 作成不可 |
ETCカード | JCBカード1枚につき、ETC専用の「ETCスルーカード」を1枚発行可能 |
ポイント還元率 | 1.0〜10.5% |
申し込み条件 | 法人代表者もしくは個人事業主 |
開業間もない個人事業主やフリーランスにとっては、申請ハードルが低く、維持コストもかからない「JCB Biz ONE」が安心です。年会費は永年無料で、個人名義での申し込みにも対応しており、法人登記や決算書の提出は不要です。
ポイントは常時2倍となっており、日常の経費支払いでも効率的に貯められます。また、優待店での利用では最大21倍のポイントが付与されるケースもあり、還元率を重視する利用者にも向いています。
加えて、会計ソフトとの連携や資金状況の見える化といったバックオフィス支援も提供されており、事業運営をサポートする実用的な一枚です。
詳細はJCB Biz ONE 一般を徹底解説|年会費やポイント還元率などをご覧ください。
まとめ|審査基準と審査落ちの原因を理解してJCB法人カードに申し込もう!
JCB法人カードをスムーズに取得するためには、あらかじめ審査基準と落ちる原因を押さえておく必要があります。経営実績や財務状況、代表者の信用情報など複数の視点で判断されるため、申し込み前に体制を整えておくと安心です。
また、条件に合ったカードを選ぶことも審査に通過するためのポイントです。もしJCBの基準に不安がある場合は、Biz ONEや他社のビジネスカードも検討するとよいでしょう。
この記事が、カード選びに迷う経営者や個人事業主にとって、自社に合ったカードを見極める参考情報となれば幸いです。